仕入れ価格と販売価格の違いとは?仕入れ値・卸価格・利益の考え方をわかりやすく解説
最終更新日:2026.07.13
商品を販売するうえで欠かせないのが、「仕入れ価格」と「販売価格」の違いを正しく理解することです。特に、店舗オリジナル商品や観光土産、ブランドグッズ、学校・法人向けの販売品など、オリジナルグッズを物販品として展開する場合は、仕入れ価格をもとに販売価格を決めるだけでは、思ったより利益が残らないケースもあります。「仕入れ値とは何か」「卸価格とはどう違うのか」「販売価格はどのように決めればよいのか」を理解しておくことで、利益を確保しながら、無理のない価格設計がしやすくなります。
この記事では、仕入れ価格・販売価格・仕入れ値・卸価格の違いを、初心者の方にもわかりやすく解説します。あわせて、オリジナルグッズを販売品として作成する際に押さえておきたい価格設定のポイントも紹介します。
このコラムの要点: 仕入れ価格と販売価格の違いを、仕入れ値・卸価格・上代・利益率・原価率の考え方とあわせて解説。 オリジナルグッズを販売品・物販品として作成する際に、利益が残る価格設定を行うための基本を確認できます。
- 用語理解:仕入れ価格/販売価格/仕入れ値/卸価格/上代の違いを整理
- 計算方法:粗利益・原価率・利益率の基本計算を具体例付きで解説
- 価格設定:印刷代・送料・梱包費・手数料まで含めた販売品の価格設計ポイントを紹介
仕入れ価格と販売価格の違いとは?
仕入れ価格と販売価格の違いを簡単にいうと、仕入れ価格は「商品を用意するためにかかる価格」、販売価格は「お客様に販売する価格」です。
| 用語 | 意味 | 対象 |
|---|---|---|
| 仕入れ価格 | 商品を仕入れるために支払う価格 | 販売者・小売事業者側 |
| 仕入れ値 | 仕入れ価格とほぼ同じ意味で使われることが多い価格 | 販売者・小売事業者側 |
| 卸価格 | メーカーや卸業者が販売事業者へ卸す価格 | メーカー・卸業者側 |
| 販売価格 | お客様へ販売する価格 | 顧客向け |
| 利益 | 販売価格から仕入れ価格や経費を差し引いて残る金額 | 事業者側 |
たとえば、ある商品を700円で仕入れて、1,200円で販売した場合、仕入れ価格は700円、販売価格は1,200円です。ただし、この差額500円がそのまま利益になるわけではありません。販売するまでには、送料、梱包費、決済手数料、広告費、保管費、人件費など、さまざまな費用がかかるためです。
国税庁では、課税仕入れについて、商品などの棚卸資産の仕入れ、原材料や事務用品の購入、運送などのサービス購入も含まれると説明しています。つまり、事業として商品を販売する場合は、商品本体だけでなく、販売活動に必要な費用も含めて考えることが重要です。
参考:
国税庁「No.6355 課税売上げと課税仕入れ」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6355.htm
仕入れ価格とは?
仕入れ価格とは、販売する商品を用意するために、販売者が支払う価格のことです。
一般的な物販では、メーカーや卸業者から商品を購入する際の価格を指します。
オリジナルグッズの場合は、無地の商品を仕入れるだけではなく、印刷や加工を行って販売するケースが多いため、次のような費用も含めて考える必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品本体代 | バッグ、タンブラー、ポーチ、タオルなど商品の本体価格 |
| 印刷代 | ロゴやデザインを印刷する費用 |
| 版代・型代 | 印刷方法によって発生する初期費用 |
| デザイン費 | デザイン作成やデータ調整にかかる費用 |
| サンプル費 | 事前確認用サンプルを作る場合の費用 |
| 送料 | 商品を受け取る、または顧客へ発送する費用 |
| 梱包費 | 個包装、ギフト包装、発送資材などの費用 |
| 販売手数料 | ECモール、決済サービスなどを利用する場合の手数料 |
たとえば、オリジナルタンブラーを販売品として作成する場合、本体代だけを見ると安く感じても、印刷代や梱包費、送料を含めると、1個あたりの実質的な仕入れ価格は上がります。そのため、販売価格を決める際は「商品本体の価格」ではなく、「販売できる状態にするまでの総費用」を基準にすることが大切です。
販売価格とは?
販売価格とは、商品をお客様に販売する価格のことです。店頭、ECサイト、イベント、観光施設、学校、企業内販売など、実際に購入者が支払う金額が販売価格にあたります。
販売価格を決める際は、仕入れ価格に利益を上乗せするだけでなく、販売にかかる経費や、購入者が納得できる価格かどうかも考える必要があります。たとえば、同じトートバッグでも、無地の商品と、ブランドロゴ入りの販売用グッズでは、購入者が感じる価値が異なります。素材、デザイン、実用性、限定性、販売場所、ブランドの信頼感などによって、適正な販売価格は変わります。
販売価格を考えるときは、次の3つの視点を持つと整理しやすくなります。
| 内容 | |
|---|---|
| 原価 | 仕入れ価格や制作費に対して利益が残るか |
| 市場 | 競合商品や類似商品の価格と比べて妥当か |
| 顧客 | お客様がその価格で買いたいと思える価値があるか |
価格を安くすれば売れやすくなるとは限りません。安すぎる価格は利益を圧迫するだけでなく、商品の品質やブランド価値を低く見せてしまう場合もあります。反対に、高すぎる価格は購入のハードルが上がります。そのため、販売価格は「安さ」だけで決めるのではない、仕入れ価格、販売経費、利益、顧客に伝わる価値を総合的に見て設定することが重要です。
仕入れ値・卸価格・上代の違い
仕入れ価格に関連してよく使われる言葉に、「仕入れ値」「卸価格」「上代」があります。
似た意味で使われることもありますが、立場や文脈によって意味が異なります。
| 用語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 仕入れ値 | しいれね | 販売者が商品を仕入れるときの価格 |
| 卸価格 | おろしかかく | メーカーや卸業者が小売店・販売事業者へ販売する価格 |
| 上代 | じょうだい | メーカーや卸業者が想定する販売価格の目安 |
| 下代 | げだい | 小売店や販売事業者が仕入れる価格のこと |
仕入れ値と仕入れ価格は、ほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。一方、卸価格は、メーカーや卸業者など「売る側」から見た価格です。販売事業者にとっては、その卸価格が仕入れ価格になる場合があります。たとえば、メーカーが販売事業者に商品を600円で卸し、販売事業者がそれを1,000円で販売する場合、メーカー側から見ると600円は卸価格、販売事業者側から見ると600円は仕入れ価格です。
上代は、メーカーや卸業者が設定する販売価格の目安として使われます。ただし、上代はあくまで参考価格であり、実際の販売価格は販売者が市場や利益設計を踏まえて決めるケースが一般的です。
仕入れ価格と販売価格の計算方法
仕入れ価格と販売価格の関係を理解するためには、粗利益、原価率、利益率の基本を押さえておくと便利です。
粗利益の計算方法
粗利益は、販売価格から仕入れ価格を差し引いた金額です。
| 計算式 |
|---|
| 粗利益 = 販売価格 - 仕入れ価格 |
たとえば、仕入れ価格が800円、販売価格が1,500円の場合、粗利益は700円。
| 金額 | |
|---|---|
| 販売価格 | 1,500円 |
| 仕入れ価格 | 800円 |
| 粗利益 | 700円 |
ただし、ここでいう粗利益には、まだ広告費、送料、梱包費、人件費などが反映されていない場合があります。最終的な利益を見る場合は、粗利益からさらに販売にかかる費用を差し引いて考える必要があります。
原価率の計算方法
原価率とは、販売価格に対して仕入れ価格がどのくらいの割合を占めているかを示す数値です。
| 計算式 |
|---|
| 原価率 = 仕入れ価格 ÷ 販売価格 × 100 |
たとえば、仕入れ価格が800円、販売価格が1,500円の場合、原価率は約53.3%です。
| 項目 | 金額・割合 |
|---|---|
| 仕入れ価格 | 800円 |
| 販売価格 | 1,500円 |
| 原価率 | 約53.3% |
原価率が高いほど、販売価格に占める仕入れ価格の割合が大きくなります。つまり、原価率が高すぎると、販売しても利益が残りにくくなります。
利益率の計算方法
利益率とは、販売価格に対して利益がどのくらい残るかを示す数値です。
| 計算式 |
|---|
| 利益率 = 粗利益 ÷ 販売価格 × 100 |
たとえば、粗利益が700円、販売価格が1,500円の場合、利益率は約46.7%です。
| 項目 | 金額・割合 |
|---|---|
| 販売価格 | 1,500円 |
| 粗利益 | 700円 |
| 利益率 | 約46.7% |
このように、販売価格を決めるときは「いくらで仕入れたか」だけではなく、「販売価格に対してどのくらい利益が残るか」を確認することが大切です。
販売価格を決めるときの考え方
販売価格を決める方法に、絶対的な正解はありません。
ただし、次の流れで考えると、利益を残しやすくなります。
仕入れ価格・制作費を確認する
送料・梱包費・手数料などの販売経費を洗い出す
残したい利益を決める
競合商品や類似商品の価格を確認する
顧客が納得できる価格に調整する
たとえば、オリジナルポーチを販売品として作成する場合、まずは本体代・印刷代・送料・梱包費含めた1個あたりの原価を確認します。そのうえで、販売手数料や広告費を加味し、どのくらいの利益を残したいかを決めます。さらに、同じようなポーチが市場でいくらで販売されているかを確認し、自社の商品がその価格に見合う価値を持っているかを見ます。素材がよい、デザイン性が高い、実用性がある、ブランドの世界観に合っているなど、価格以上の価値が伝れば、適正価格で販売しやすくなります。
価格転嫁の考え方も重要
仕入れ価格は常に一定とは限りません。原材料費、物流費、人件費、為替、エネルギーコストなどの影響により、仕入れ価格や制作費が上がることがあります。仕入れ価格が上がったにもかかわらず、販売価格を据え置いたままにすると、利益率は下がります。そのため、コスト上昇が続く場合は、販売価格の見直しも必要です。中小企業庁では、適切な価格転嫁を実現するためには、価格交渉を行うことが重要であり、交渉にあたってはコスト上昇状況など、価格転嫁が必要となる理由を明確に示すことが大切だと説明しています。また、公正取引委員会の指針でも、労務費上昇分の価格転嫁について、受注者が積極的に情報収集し、価格転嫁の交渉に臨むことが求められるとされています。オリジナルグッズを販売品として継続的に展開する場合も、初回作成時の価格だけでなく、再注文時や追加作成時に価格が変動する可能性を踏まえておくことが大切です。
参考:
中小企業庁「価格交渉・転嫁の支援ツール」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/shien_tool.html
公正取引委員会「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/romuhitenka.html
オリジナルグッズ販売で価格設定を間違えやすいケース
オリジナルグッズを販売品として作成する場合、価格設定で失敗しやすいポイントがあります。
本体代だけで原価を判断してしまう
もっとも多いのが、商品本体代だけを見て「安く仕入れられる」と判断してしまうケースです。オリジナルグッズでは、印刷代、版代、デザイン調整費、送料、梱包費などがかかるため、本体代だけでは実際の原価を把握できません。特に販売用グッズでは、商品が届いたあとに個包装をしたり、ラベルを貼ったり、店舗やECサイトで販売できる状態に整えたりする必要があります。そのため、販売可能な状態にするまでの費用をすべて含めて、仕入れ価格を考えることが重要です。
小ロット作成時の単価上昇を見落とす
小ロットでオリジナルグッズを作成する場合、1個あたりの単価が高くなりやすい傾向があります。印刷準備にかかる費用や版代などの初期費用を少ない数量で割るため、数量が少ないほど1個あたりの負担が大きくなるためです。オリジナルグッズドットコムでも、商品ごとに注文可能な最低数量であるミニマムロットが設定されており、ほとんどの商品が30個から注文可能です。また、印刷代が「1個」表示の場合は、印刷の最低数量に満たないため一律価格になっていることを案内しています。販売価格を決める際は、30個作成した場合、100個作成した場合、300個作成した場合など、数量ごとの単価を比較することが大切です。販売見込み数に対して適切なロットで作成できれば、1個あたりの仕入れ価格を抑えやすくなります。
送料込み価格で利益が残らない
ECサイトや通販で販売する場合、「送料無料」にすると購入者にとってわかりやすい反面、事業者側が送料を負担することになります。送料込み価格にする場合は、送料分を販売価格に含めておかなければ、利益が大きく減ってしまいます。たとえば、販売価格1,500円、仕入れ価格900円の商品でも、送料300円、梱包費100円、決済手数料50円がかかると、実際に残る金額は大きく下がります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 販売価格 | 1,500円 |
| 仕入れ価格 | 900円 |
| 送料 | 300円 |
| 梱包費 | 100円 |
| 決済手数料 | 50円 |
| 残る金額 | 150円 |
このように、仕入れ価格と販売価格の差だけを見ると利益があるように見えても、販売経費を差し引くと利益がほとんど残らないことがあります。
セールやクーポンを前提にしていない
販売促進のために、セールやクーポンを実施することもあります。しかし、通常価格の時点で利益に余裕がない場合、値引きをすると赤字になってしまう可能性があります。たとえば、販売価格1,500円で利益が300円の商品に対して、300円クーポンを使うと、利益はほぼ残りません。
販売促進を行う場合は、通常価格の段階で値引き余地を残しておくことが大切です。
オリジナルグッズを販売品として作るなら、仕入れ価格の確認が重要
オリジナルグッズを販売品として展開する場合は、「いくらで作れるか」と「いくらで売れるか」の両方を考える必要があります。配布用ノベルティであれば、単価を抑えることが重視されることもありますが、販売品の場合は購入者に選ばれる価値が必要です。
販売品・物販品では、次のようなポイントが重要になります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品の実用性 | 日常的に使いやすいか |
| デザイン性 | ブランドや店舗の雰囲気に合っているか |
| 品質 | 販売価格に見合う素材・仕様か |
| 原価 | 印刷代や送料込みで利益が残るか |
| ロット | 販売見込みに合った数量で作成できるか |
| 納期 | 販売開始日やイベント日に間に合うか |
オリジナルグッズドットコムは、物販のためのオリジナルグッズや小ロットOEM、記念品作成など、さまざまなグッズ制作シーンで活用できるECサイトです。オリジナルの販売品や記念品の制作・仕入れを検討している方に向けて、タンブラーやポーチ、オーガニック・再生素材・フェアトレード商品など幅広い商品を取り扱いしています。販売用のオリジナルグッズを作成する際は、まず商品ページで作成数量、印刷方法、納期、見積りを確認し、1個あたりの仕入れ価格を把握することが大切です。そのうえで、販売価格、利益率、販売チャネル、送料、梱包方法まで含めて設計すると、無理のない販売計画を立てやすくなります。
仕入れ価格と販売価格に関するよくある質問
Q.仕入れ価格と仕入れ値は同じ意味ですか?
仕入れ価格と仕入れ値は、ほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。どちらも、販売者が商品を仕入れる際に支払う価格を指します。ただし、実務では「仕入れ値」は会話の中で使われやすく、「仕入れ価格」は資料や見積りなどで使われやすい表現です。
Q.卸価格と仕入れ価格は違いますか?
卸価格と仕入れ価格は、見る立場によって呼び方が変わります。メーカーや卸業者が販売事業者へ商品を売る価格は「卸価格」です。一方、その商品を買う販売事業者から見ると、その価格は「仕入れ価格」になります。
Q.販売価格は仕入れ価格の何倍にすればよいですか?
販売価格を仕入れ価格の何倍にすればよいかは、商品カテゴリ、販売チャネル、ブランド価値、送料、広告費、在庫リスクなどによって変わります。そのため、一律で「何倍が正解」とは言えません。まずは、仕入れ価格と販売経費を洗い出し、必要な利益を残せる価格を逆算することが重要です。
Q.オリジナルグッズ販売では、どこまでを原価に含めるべきですか?
オリジナルグッズを販売品として作成する場合は、商品本体代だけでなく、印刷代、加工代、版代、デザイン費、サンプル費、梱包費、送料、販売手数料などを含めて考えるのがおすすめです。販売できる状態にするまでにかかる費用を含めることで、実際に利益が残る価格を設定しやすくなります。
まとめ|仕入れ価格と販売価格の違いを理解して、利益が残る価格設計をしよう
仕入れ価格は、商品を用意するためにかかる価格です。販売価格は、お客様に販売する価格です。この2つの差額が利益のもとになりますが、差額がそのまま利益になるわけではありません。実際には、送料、梱包費、決済手数料、広告費、人件費、在庫管理費など、販売に必要なさまざまな費用がかかります。そのため、販売価格を決める際は、仕入れ価格だけでなく、販売にかかる総費用と残したい利益をあわせて考えることが大切です。特に、オリジナルグッズを販売品・物販品として作成する場合は、本体代だけでなく、印刷代や加工費、ロット数、納期、梱包費まで含めて価格設計を行う必要があります。
売れる価格と利益が残る価格のバランスを意識することで、無理のない物販展開につながります。
オリジナルグッズドットコムでは、販売品や記念品に活用しやすいオリジナルグッズを、小ロットから作成できます。商品ページで見積りや納期を確認しながら、仕入れ価格と販売価格のバランスに合った商品選びにお役立てください。